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高取焼

高取焼

亀井 味楽

40代で十五代 味楽を襲名。継承の重さを感じ、遊びに満ちた作陶は封印したものの、伝統的装飾による創意工夫は続いていた。襲名当時に多く試みていたのは、七宝透彫に擂座(るいざ)を施すなどの手法だったが、これにより釉薬(ゆうやく)の流れの思わぬ美を発見することもあり、目の覚めるような気づきは伝統の中から多くもたらされた。質朴を旨とする茶陶において装飾は蛇足と考えられがちだが、一方で遊び心のない茶陶ほど窮屈なものはない。初めから無駄なく縮こまった作品を目指すのではなく、まず装飾で可能性を広げ、そこからの削ぎ落しで完成度を極めるのが、今も続く十五代のスタイルである。なお、金華紋釉の完成は襲名以後であり、七宝透彫や印花技法も、この頃の作品に多い。その後さらに磨き上げられた技により、遠州高取の完成へ、そして集大成の時代へと進みつつある。「現状に満足すれば、下降する」と語る十五代。作為をそぎ落とし、自然のままに作れるようになるのが最高の到達点であると、意欲を燃やしている。

 

【経歴】

昭和35年 十四代亀井味楽の長男として生まれる。本名亀井正久。

昭和56年 京都市立嵯峨美術短期大学デザイン学部陶芸学科卒業

平成3年 米国センチュリー大学芸術博士号取得

平成13年 十五代亀井味楽襲名

平成18年 福岡市技能優秀者表彰

平成27年 福岡県技能優秀者表彰

平成28年 米国ボストンにて個展、MIT及びハーバード大学に於いて講演及び実演

【現在】

日本工芸会正会員、日本陶磁器教会博多支部理事
福岡市立福翔高等学校陶芸非常勤講師
各カルチャーセンター講師

ホームページ https://takatoriyaki.jp